じれったい

「もしもし」

声をかけられて視線を向けると、
「あっ!」

そこにいたのは、いつかの易者だった。

私は易者のところへと歩み寄ると、
「この間はありがとうございました。

あのお代なんですけど…」

財布を取り出そうとしたけど、
「お代は結構ですよ。

私が勝手にやったことなのですから」

易者に止められた。

「でも…」

「んんっ?」

戸惑っている私の顔を易者は珍しそうに見つめてきた。

「あの、何か…?」

私の顔に何かがついていると言うのだろうか?

そう思っていたら、易者の唇が開いて音を発した。

「あなたは男運だけじゃなく、家族運にも恵まれていないようですね」