じれったい

「最近暑くなったり、寒くなったりの日々が続いてるから体調を崩さないように気をつけてね。

体調が悪くなったらいつでも言ってくれても構わないから」

武沢さんはそう言うと、今やっている作業に戻った。

「はい、わかりました」

私は返事をすると、書類整理に集中した。

暑くなったり、寒くなったり…か。

心の中で武沢さんが言っていた言葉を思い出すと、彼女に気づかれないように息を吐いた。

梅雨が終わりに近づき、暑くなってきたこの時期になるとどうしても思い出してしまうことがあった。

もうすぐで“あの人”の命日だからなのかも知れない。

――私が中学2年生の時に亡くなった、たった1人の肉親である母の命日が後少しである。