じれったい

それ以来、僕は学校の帰りに映画館によっては美知留と一緒に過ごすようになった。

彼女と一緒に映画のことを語りあったり、時にはお互いのことを話しあったりといろいろな話をした。

美知留のことを知れば知るほど、僕は彼女にひかれて行った。

「和歳」

美知留が僕の名前を呼ぶたびに、僕の心臓はドキッと鳴った。

彼女と一緒にいるのは楽しい。

何より、僕たちには映画と言う共通の趣味がある。

ただの友達の関係から、恋人になりたい。

そう思ったのは、祖父の死から1年が経った中学3年生の時だった。

この時は高校受験で忙しかったため、美知留に気持ちを伝えるのは受験が終わった後に…と決めていた。

だけど、それは無残にも打ち砕かれたのだった。