じれったい

「急かすつもりはないけれど、こう言うのはなるべく早い方がいいと思うわよ。

玉置常務、結構イケメンだからね。

矢萩さんがぼやぼやしている間に他の女に取られちゃうかも知れないわよ？」

ニヤニヤと笑いながら言った武沢さんに、
「アハハ…」

私は笑ってごまかすことしかできなかった。

「あ、それから私が玉置常務と同居生活をしていると言うのは…」

そう言った私に、
「わかってるわよ。

ちゃんと秘密にするわ」

武沢さんは人差し指を唇に当てると、パチリとウインクをした。

すごいな、美人は何でも絵になってしまう…。

おちゃめなところがある彼女の一面に、私は感心を抱いてしまったのだった。