じれったい

「つらかったですね…。

中学生だった君からして見たら、それはひどく傷ついたことでしょう。

僕はその場にいた訳ではないから何かを言える立場ではありませんが、君がひどく悲しんだことはよくわかります」

そう言った玉置常務に、
「はい…」

わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「本当に、悲しかったです。

彼らが“私”と言う母の荷物を引き取ることが嫌だったのはもちろんのことですが、何よりも1番傷ついたのは母が嫌われていたと言う事実でした」

「君が母親と同じくらいの愛情あるいはそれ以上の愛情を求めるようになったのも、少しだけその事件が関係しているのかも知れませんね。

それが心の傷として深く残っているのかも知れません」

玉置常務の言葉に私はうつむくと、ずずっと洟をすすった。

「泣いてもいいですよ」