「お風呂をわかしてきますので、よろしかったら…」

呟くようにそう言った私に、
「ではお言葉に甘えて」

玉置常務が言ったので、私はバスルームの方へと向かった。

バスタブにお湯を入れている間、洗濯機の横に置いてある脱衣かごを手に持って玄関へと向かった。

「濡れたジャケットと靴下はこっちに入れてください。

後で洗濯をしますので」

そう言った私に、
「いや、そこまではしなくていいよ。

突然やってきた僕も僕だから」

玉置常務は申し訳なさそうに言った。

「えっ、あっ…」

脱衣かごを片手に戸惑っている私に、
「君は本当に育ちがいいみたいですね。

準備がとても早いです」

玉置常務が笑った。