じれったい

「少しだけそこで待っててください。

タオルを持ってきますから」

玉置常務を玄関のところで待たせると、私はタオルを取りに行くために2階へとあがった。

部屋に入ると、
「ビックリした…」

私は息を吐いた。

玉置常務がいきなり家にきたから何事かと思った。

まさかとは思うけど、これがチャンス…じゃないよね?

「そんな訳ないじゃない。

玉置常務は家に雨宿りをしにきただけなのに」

自分に言い聞かせた後、タンスからバスタオルを3枚ほど取り出した。

それを抱えて1階へ下りると、
「お待たせしました、お使いください」

玉置常務にバスタオルを渡した。

「どうもありがとうございます」

玉置常務は私の手からバスタオルを受け取ると、濡れてしまった躰を拭いた。