じれったい

外は大荒れだと言うのに、誰がきたと言うのだろうか?

ピンポーン

2回目のチャイムが鳴ったので、
「はーい」

私は玄関へと足を向かわせた。

カチャッと少しだけドアを開けると、
「玉置です」

その声に驚いて、私はドアを大きく開けた。

私の目の前にいたのは、玉置常務だった。

えっ、どうして…?

彼の後ろでは雨風が吹き荒れていた。

「突然すみません」

玉置常務は会釈をするように頭を下げた後、濡れている前髪をかきあげた。

突然やってきたことに驚いたからわからなかったけど、頭から足先まで玉置常務はびしょ濡れになっていた。

どうやらこの暴風雨の中を歩いてきたようだ。