空から降ってくる雨の雫を眺めていたら、
「ごめんなさい」

私の口からそんな言葉がこぼれ落ちた。

自分でもどうして謝罪の言葉が出てきたのかよくわからなかった。

玉置常務に身の上話をしてしまいそうになったと言う申し訳ない気持ちが私の中にあったからなのだろうか?

「構いませんよ。

またいつか続きをお話ししてください」

突然謝罪の言葉を言った私に驚くことなく、玉置常務は言った。

「玉置常務につきつけられてわかりました。

どうして私がいい子でもなければ悪い子でもないと言う人間だったのか」

そう言った私に、
「それは、どう言う意味でしょうか?」

玉置常務は訳がわからないと言う顔で聞き返した。