黒歴史と四人の王子様




「いッ!



 いやぁーーーーッ!!」



あたしは思わず、黒髪イケメンに抱きついた。



な、なにこれなにこれなにこれ!



なんで浮いてるの!?



あ、あたしはさっきまで、間宮くんのロッカーの前にいたのに!



「恋、大胆です……」



無表情のまま頬をポッと赤らめるイケメン。なんなんだこいつ!



「な、な、な、なんで!? なんであたし浮いてるのッ!?」



「恋は浮いてません。僕が浮いてるんです」



「う、浮いてる!? あ、あんた、誰ぇ!? 魔法使い!?」



「ひどい……。



 ……恋なら言わなくてもわかるって思ってたんですけど……。



 まあ、いいです。



 ……王子 白馬です。



 あなた……いえ、コイと同じ、高校1年生です」



「いやいやいや! ほ、ほんとに誰!? あたし、コイじゃないし、高校1年生でも──」



ん?



……『王子 白馬』? 『コイ』?



あたしは、その名前に聞き覚えがあった。




……いやいや、気のせい気のせい。



第一、こんなイケメンに会ってたら、顔と名前くらい覚えてるはずだし……!