「……あの、先輩。キスって口にじゃ……?」
「え? 何? してほしい? しゃーないなもぉー」
「いらない! や、や、約束は守ったんだから、教えてよね! この世界から、出る方法──!」
「ぶー。はいはい、もー! ムードないなあ」
ほっぺを膨らます先輩。あんまり可愛くないです。
「……それで、方法っていうのは」
「い、いうのは……?」
ごくり。あたしはつばを飲み込む。
満先輩は、またあたしの耳に口を寄せる。
「──消せばいいんだよ」
────え?
「────恋ちゃん、君の手で、この世界を、削除すればいいんだ」
先輩の表情は、あたしからは見えない。
けど、その声は、なんだか苦しそうに聞こえた。
