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──……



「っは!? 間宮くんは!?」



「あ、ようやく起きましたか。間宮くんは知りません」



目覚めたあたしの前にいたのは、短い黒い髪に緑色の目をした男の人だった。



身長は180cmくらいで、黒い学ランを着ている。



あと、それから……すごく、イケメン。うん。



間宮くんの次くらいだけど。



……誰? この人。



「……てかッ! 近いんだけどッ!!」



あたしは、何故か謎の黒髪イケメンにお姫様抱っこをされていた。



お姫様抱っこ。オトメのあこがれ。



でも、全然きゅんきゅんなんかしない。



だってこの人、間宮くんじゃないし。



あたしはじたばたと暴れる。



もー! 誰なのこの変質者ー!



「落ちますよ」



無表情のまま、変質者の人は言った。



落ちる……?



まさかと思い、下を見ると……あたし達の通ってる学校とは違う……学校らしき建物があった。



……そう。



『下に』、あった。



──────つまり、あたしたちは浮いていた。