黒歴史と四人の王子様




確か……。



「『今からあんたを殺す……』」



そうそう、それ。



だったら、由麻がコイに抱いている感情は……『殺意』。



って、え?



あたし、口に出してないのに……。



あたしは、後ろを振り返る。



そこには、ニヤリと笑う由麻の姿があった。



「あ、あたし、あの、ちょっと具合悪いから体育休──」



「それじゃー、背中、押してあげるね? 恋ちゃん。



 ほら、前向いて?」



時既に遅し。



「あいたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!?」



あたしの背中は由麻にすごい力で押されていた。



なにこれ、背中、折れる! 折れる! 折れる!



「あのね、知ってる? この世界の女のコたちみんな、白馬くんたちが好きなんだよー」



「折れ、ほんとに、折れるって!」



「だから、みんな恋ちゃんのことが大嫌い──なんだよね」



「やめ、ほんと、痛い、から──!」



あまりの痛みに、あたしの目から涙が出てくる。



「恋ちゃん」



由麻は、背中を押すのはやめて、あたしの首に腕をまわした。



「男の子と女の子の体育、別々でよかったね。



 だって、授業中突然恋ちゃんが死んじゃったら……。



 ……きっと白馬くん……心配しちゃうもんね?」



そして、思い切り力を入れた。



あたしは……意識を手放した。