黒歴史と四人の王子様




──グラウンドにて。



「はーい! それじゃあ2人組作ってー」



あたしはキョロキョロと周りを見渡す。



周りはどんどんと組を作ってゆく。



まだ、あたしには友達がいない。



このクラスの女子は奇数だから、このままだと先生と一緒に組むことに……。



それは、やだ……。



「恋ちゃん、一緒に組も〜」



「!」



あたしに話しかけてきたのはツインテールの女の子……由麻だった。



「……うん! もちろん!」



よ、良かった! 先生と組むルートは回避されたようだ。



だってあの先生、力強いんだもん。



前屈なんてもーどんだけ!? ってくらいぐいぐい押してきて……すごく痛い。



「ふふ、恋ちゃん、ちゃんとお話するのは初めてだよね。



 私、宛川 由麻。あなたの親友。よろしくね」



由麻はあたしに手を差し出す。



「あたしは永野 恋! よろしく!」



あたしは差し出された手を握り、由麻も握り返す。



「うん!」



ギリッ……



「っ、いた……」



由麻に握られた手に痛みを覚え、あたしは思わず手を離す。



「……ごめんね?



 嬉しくて、力込めすぎちゃった」



由麻は申し訳なさそうに謝る。



わざとじゃない……よね?



「う、ううん! 気にしないで!」



「よーし! それじゃあ、二人組で前屈するぞー!」



体育の先生が、ピーとホイッスルを吹く。



みんなは既に始めている。



早く、あたしたちもしちゃお。



「よし、じゃあ、あたしからやるね?」



「うん、よろしくね、恋ちゃん」



えへへ、友達かあ。



……ちょっと、嬉しいかも。



由麻の背中をゆるく押しながら、あたしの顔がにやける。