──一週間後。1年C組、教室にて。
ああ、満先輩に宣言してから、1週間の月日がたった。
あたしはすっかりこの世界に馴染んでしまった。
さいわい、授業の時間以外は小説に専念することが出来る。
今は自習の時間。執筆活動にはもってこいだ。
ちなみに、あたしの席は一番後ろの窓際から2番目。
ついでに言うと、左の席は白馬、右の席は不知くん。
なんとも都合のいい配置だ。
現実だったらありえない。
しかし、2人ともイケメンという設定のおかげで、女の子たちの羨望の眼差しが痛い。
この前会った時は優しくしてくれたけど、由麻だって、白馬が好き、という設定がある。
彼女はあたしを恨めしそうに見てくる。すごく気まずい。
とにかく、この配置はあたしにとって地獄でしかなかった。
はあ、一体全体、誰がこんな設定にしたんだ……。
……あたしだった……。
そのせいもあってか、相変わらず、あたしの手は相変わらず動かないままだった。