Side:永野 恋



「今日は1日、いろんなことがあったなあ……あたし、疲れちゃった」



あたしは満先輩にぼやく。



満先輩は、黙ってあたしの頭をなでた。



きっとこれは、彼なりの労い方なのだろう。



……ハナと話して、やっと間宮くんに告白する勇気が出てきて。



それでやーっと間宮くんに告白したのに、こんな変なところに連れてこられちゃって。



白馬にお姫様だっこされて、満先輩にほっぺた揉まれて、不知くんに少女漫画とか貸してもらって……。



この世界はあたしが作ったのに、あたしに都合よくは動いてくれないようだ。



(でも、それはきっと、あたしがこの世界を捨てたから)



白馬が言っていた。「僕を捨てましたね」って。



この世界は、あたしを恨んでる。



……きっと、そうに違いない。



「よぉーーーし!」



突然大声を上げたあたしに、満先輩はビクッと反応した。



「ど、どしたん?」



「あたし、取るよ! ランキング1位!」



あたしはそう高々に宣言する。



こんな世界、はやく抜け出してやる!