黒歴史と四人の王子様

すこし歩いて、俺はとある部屋についた。



ここは、俺とコイちゃんの所属する文芸部の部室。



部屋にでも連れ込んでなんかしたろー思ったけど、嫌われるのは嫌やし、部屋に連れ込むのは流石にやめといた。



夜ご飯は、恋ちゃんと別れてからでいいだろう。



「れーんちゃーん。魂抜けてんでー?」



俺は恋ちゃんのほっぺをつんつん突っつく。



むにむにむにむにむに。



つんつんつんつんつん。



あー、いい、柔らかい。



「女の子のほっぺって……いいよな……」



「は?」



恋ちゃんはドン引きしていた。



「そういえば、満先輩……初めてあった時もほっぺた揉んできた……そういう性癖……?」



「断じて違う!」



……多分。



恋ちゃんがサササと距離を取る。



ひどい。



「あの……さ、そういえば先輩、さっき言ってたよね。



 不知くんは『コイ』のことが好きって設定はないから、あたしのこと好きじゃないって」



「ああ、うん。言ったな」




「じゃあ逆に言えば、白馬や先輩は、あたしのこと好きなの?」



「うん。好きだよ」



「ふーん」



やけにあっさり。



……もっといい感じの反応を期待してたのに。



「……いいの?



 恋ちゃん、あんた、自分のこと好きな男と2人きりやで?」



「いいよ。



 満先輩は、何も出来ないでしょ?」



当たり前のことのようにそう言ってのける恋ちゃん。



酷いなあ。



「……まあね」



……当たってるから、否定はできないんだけど。



「……そろそろお開きにしよか。恋ちゃん、女子寮の場所、わかる?」



恋ちゃんはこくりと頷いた。