黒歴史と四人の王子様




「言っておきますけど、ギャル文字だとか、顔文字だとか、小文字だとか、そういうのは別にいいんです」



え!? いいの?



「で、でも小説って、そういうの使ったらいけないんじゃないの? 顔文字とか、ギャル文字とか! (笑)とか、(泣)とか!」



そういうのかいちゃだめ〜! みたいな小説講座、よく見かけるのに……!



「まあ、でも、これ、携帯小説ですから」



「な、なんで、携帯小説だといいの?」



「……携帯小説っていうのは、客層が限られています。



 主婦や男性の方ももちろん読みますが、若い女の子が大多数を占めます。



 それで、いつも読んでいるシリーズならともかく、はじめに読む小説っていうのは、大抵『暇つぶし』のために読むんじゃないでしょうか?



 だから、文法の正しさよりも『読みやすさ』が重要なんです。



 つまり、恋のギャル文字の使い方は不正解です」



「ご、ごめん、意味わかんない……なんで?」



「……急に文体が変わったら、読みにくいでしょう? 例えばここです」



白馬はホワイトボードのある部分を指さした。



『ぁたしゎ、由麻に押されて、たぉれました。。。



 由麻…なんで。。。?



 ぁたしは思った……。悲しいです。。。』



た、確かに読みにくい気がする……。



「そうですね。



 まずは、『。。。』と『…』。統一してください」



「うぐっ!」



「あとそれから、途中まで敬語やったのに、途中から変わって、また敬語に戻ってる」



「ぐあっ!」



「『ゎ』か『は』、どっちかにしなさい」



「グハァッ!」



白馬と満先輩が交互にあたしの文章にダメ出ししてく……。



な、なんであたしの小説の中の登場人物に、小説のダメ出しされなきゃいけないの!?



で、でも、た、確かに、その通り、かも……。