黒歴史と四人の王子様

「とりあえず、恋の小説、どこが酷いかをキチンと再確認しましょう」



「や、やめてよ! 傷口をえぐらないでよ!」



「恋ちゃん……一応王子からいくらか事情は聞いてるんだけどさ。



 恋ちゃん、現実世界に帰らんと、間宮くんの答え、聞けへんまんまやで……? ええの……?」



満先輩……。まだいたんだ……。



それはともかく、満先輩の一言であたしはハッとした。



そうだ。現実世界にかえるためには、この小説をランキング1位にしないといけない。



あたしは、間宮くんに告白したんだ。



間宮くんは、返事しようとしてたのに……。



「それを、それを、この悪魔が……!」



あたしはキッと白馬を睨んだ。



白馬はあたしから目をそらす。



「……まず、恋の小説にはツッコミどころが満載です。加藤!」



白馬がパンと手を叩くと「はぁい」と気の抜けた返事をした満先輩がホワイトボードを運んできた。



そこにはあたしの小説の本文が無駄にきれいな字で写されていた。



「恋ちゃんはどこがアカンと思う?」



満先輩は赤いペンをあたしに渡す。



あたしは、ギャル文字の……由麻のセリフを囲った。



「すごーい恋ちゃん! 正解やで〜!」



満先輩がパチパチと拍手する。



バカにしてんのか。



「でもちょーと惜しいな。囲むところが足りない! 正解は……」



満先輩はあたしから赤ペンを受け取……ろうとしたが、白馬にそれを奪われた。



白馬はニッコリと笑って、文字をすべて囲むように大きな丸をつけた。



「これですね」



「……」



……ひどくない?