「……と、とにかく! 僕は怒っています!」
「ご、ごめん。……でも、あたし、アレを更新する気はもうないんだけど……」
「いーえ! 更新してもらいます!」
白馬は、ずいっとあたしに顔を近づける。
「ていうか、らぶKOIを更新しないと、あなたは元の世界に帰れませんし」
……え?
い、いま、サラリと衝撃的な事実が告げられたような……!?
「い、今、なんて」
「恋、あなたの作品はもっと評価されるべきです」
白馬は私の手を取り、握った。
「あなたの作品には愛が詰まっている。だから、らぶKOIはもっと、愛されるべきなのです。
ですから……」
ごくり。
私はつばを飲む。
「具体的には、らぶKOIが山ぶどうでランキング一位をとるまで僕はあなたをかえしません♪」
「は、はああああ!?」
思わず私は大声を上げた。
「無理無理無理無理無理! 絶対に無理! 山ぶどうに投稿されてる作品どんだけあると思ってんの!? 10とか100とかそんな規模じゃないよ!?」
「知ってます。無理だろうとやってもらいます。というか、やるまで帰しません」
そ、そんな……。
頭がくらくらする。
白馬の顔は真剣そのものだ。
こいつはやる。ぜったいにやる。やると言ったらやる。
と、言った顔。
でも、あたしはできない。
そもそもやる気なんてないし。
「ぜったいに、無理……」
「無理じゃありません!」
「無理!」
「無理じゃない!」
「無──」
「あーもう! ゴチャゴチャ言わないでいいから書いてください! ほら、スマホ貸してあげますから!」
あたしは白馬からピンク色のスマートフォンを押し付けられた。
