「美月様……。」

『何?朔。』

「私には、美月様を沙夜と、呼んでいたような気がしますが……どうでしょう?」


うっ……やっぱり……わかっちゃうよね……。

でも、あの様子だと、陽は、お付きの人達には何も言ってないの?


『えっと……実は……』


淡々と、陽元国での事を、朔と満に話した。



「美月様……勝手なことをしないでくんなまし!何かあってからでは遅いんでありんすよ!?」

『うん……ごめん、わかってるよ。』

「美月様…今は……ご自分の立場から、逃げていませんか?」

『…うん。今はもう、自分が女王であること、そして民の命を預かっていることを理解してる。その上で私は女王になる!』

「それなら私も満も、何も言うことはありません。ね?満。」

「はい。」

『ごめんねっ、ありがとう……。』


涙が、ぽろぽろと落ちてくる…。