月と太陽Ⅰ

『何よ?』

「いや?月凜国の前女王と、恐れ多くも同じ名前なんだなーと思っただけだ。」


こっ、この人っ!

でも、やっぱり沙夜は不味かったかな……。

だけど……もう名乗っちゃったものは仕方ない…。


『そっ、そうみたいね……で、でも!私には関係ないから?』

「そーだな。茶色の髪に水色の目……。魔法で変えてなければ、沙夜は陽元国の民だからな。」


まさか……気づいてるの?

いや、そんな……だって……ううん、ありえない。


『当たり前でしょ。じゃーね!』

「おいっ、どこ行くんだよ。夜中に1人は危険だぞ。もし、誰かに攫われたら……。」

『それ、貴方が言えること?』

「うっ……。あー!わかったよ!ついて来い!」