月と太陽Ⅰ

『望は黒い髪に青い目だったね。』

「美月様、わっちら月凜国の民は黒い髪か、白い髪と、決まっておりんす。」

『そうなの?じゃ、陽元国の民もあるの?』

「はい。陽元国の民はオレンジ色の髪か、茶色の髪でありんす。」

『そーなんだ……目の色は?』

「それは特に関係ありませんよ。」

「美月様は透き通るような水色の目でありんすね……。」

「とっても綺麗です……。」

『そんなことないよ…。』

「沙夜様は金色の目だった……金色の髪に金色の目……。本当に女神が降り立ったようで……。」

「えぇ、本当に素敵な方でありんした……優しくて…わっちらを受け入れてくれて……。」


2人とも……。やっぱり、そうだよね……。
懐かしいし、会いたいよね…私なんかよりも……きっと、その人の方が……。


「…風?どこから……美月様!?」

「美月様、おやめ下さい!どこへ行かれるのですか!?感情に身を任せてはなりません!」

『何で……わかんないよ……。私は…ふさわしくない……女王になんて、なれないっ!』

「美月様!」

「落ち着いてくんなまし!」


あぁ、もう、意識が……遠のいていく……。

どこへ行くんだろう?
どこでもいい……何も、考えなくてもいい所に行きたい…。