10月。

「センセー、さよーならー」

「おう。気ぃ付けて帰れよ」

放課後。

渡り廊下を歩いていた俺は、挨拶をしてくれた生徒に片手を挙げて手のひらをヒラヒラと振った。

「あー、今日も疲れたな~~」

片手を上げたついでにそのまま両手を上げて、あくびをしながら身体を伸ばす。

「ふふふっ」

突然後ろから笑い声が聞こえて、振り向いた。

「……舘野」

そこには、俺の大あくびを見て笑っている館野の姿。