舘野は、もうすぐ卒業する。

本当は、三年生は自由登校になっているが、舘野はこうして天文部にちょくちょく顔を出しに来る。

と言うか、殆ど毎日?か?

その為に、俺のこの恋心に区切りが付けられないでいた。

顔を合わせないでいれば、気持ちも薄らいで行く、なんて思っていた自分が浅はかだった。

やっぱり日に日に膨らんで行く一方で、どうする事も出来ないでいる。

「あ、そうだ!」

舘野が手をポンッ!と叩いた。

その音に、ハッと我に返る。