3月。

「先生、こんにちは!」

舘野が、元気良く視聴覚室のドアを開ける。

「……舘野、もう少しおしとやかに出来ないのか?」

星をスクリーンに映し出す為のプロジェクターの準備をしていた俺は、はぁ……と頭を抱えた。

「えー。だって、先生しかいないのに、気使う必要ないじゃないですか」

荷物を下ろして、椅子に座った舘野が、足をプラプラさせながら抗議して来る。