「先生、1年間よろしくね」

舘野がニコッと笑う。

「……よろしく」

俺は、教卓に手を付き、項垂れた。

そう。

舘野が3年D組の生徒だったんだ……。

ただでさえ、気持ちを制御出来なくなりつつあるって言うのに、これは何かの拷問ですか?

チラッと、席に着いている舘野に目をやる。

なぜか、めっちゃ笑顔。

なんでそんなに嬉しそうなのかは分からないけど、取り合えず、意識をしないようにするのが精一杯だった。