「先生はどんなチョコが良いですか?」

「へ?」

目の前に、

『バレンタイン特集!』

と、デカデカと書かれた雑誌を広げられる。

「……お、俺?」

「はい。他に誰がいるんですか?」

今は部活中。

相変わらず、視聴覚室には俺と舘野の二人だけ。

「……誰もいません」

「そーですよね。で?どれが良いと思います?」

舘野が、再度雑誌を押し付けて来る。