8月。

俺は、スキップしながら視聴覚室のドアを開けた。

サァッ……と、熱のこもった風が、俺の間を通り過ぎて行く。

「先生、5分遅刻!」

「すまん」

頭を手で押さえ、天文部の部室でもある、視聴覚室の中へと入る。

夏休み中の、数少ない部活の日。

夏休み中に、舘野に会える、数少ない日。

そりゃ、スキップせずにはいられない。