部屋着に着替えベッドに寝転がると、うーんと腕を天井に伸ばす。

そういえば、ちゃんとお礼言わないで帰ってきちゃった。


あいつの連絡先、そういえば知ってるっけ…

大人としてお礼の連絡はしといたほうが良いよね?
そう、お礼だけなら…

そう思いスマホに手を伸ばした。

「えっと、、なが…」

そのとき、電話着信を告げるバイブが手を揺らす。

「わっ電話!?…って永山、亮汰」

電話の相手に戸惑いながらも、通話を押しスマホを耳にあてる。


「はい…」

「あっ、沙奈ちゃん?俺、永山だけど」

「はい」

「大丈夫?ちゃんと帰れた?」

「はい、、」

「良かった~。足、腫れてない?」

「はい、って…あっ、、」


ふとひねった足に目をやると、足首が赤く膨らんでいるような…


「あー、やっぱ腫れてるだろ。ちゃんと冷やして、安静にしてろよ」

「…はい」

あれ、私さっきから『はい』しか言ってないな…

「あの、永山さん…ありがとう、ございました」

「いいって。明日の朝、8時に南四橋駅まで迎えに行くから。じゃーおやすみ」

はっ!?なに勝手なこと言ってんの??

私はすかさず反論しようとしたが時すでに遅し、一方的に電話を切られていた。