「はい少し取材を……と思いまして」

「取材?お父さんにですか?」

「お父さん?」

「ああ……すいません、私は鳩瀬咲陽です。ここの家の一人娘みたいで」

ぺこりと会釈をしてくる彼女に連れて己も些か慌てるようにぺこりと頭を下げ、上げると彼女は少し驚きつつもくすくす、とおかしそうに笑った。

「一応……と言うか御両親だけではなくてこの一家様にお話を伺いたいという感じで……」

「そうなんですか?んー…それなら中に入りますか?外で立ち話は疲れますし」

「え、いいんですか?」

きょとんとしていた丸い瞳はやんわりと細くなりくす、と軽い笑みを浮かべると彼女は先に数歩歩くと玄関の扉を開けた。