「家に用事ですか?」 「!?」 インターホンを押すあと1歩のところで隣から聞こえてきた柔らかい声に肩を跳ねる。 今日は周りを見れてないのかもしれない、2度目の声掛けに少し自己嫌悪をしてしまう。 とはいえ、自己嫌悪をしていてもしかたない。 インターホンへと伸ばしていた手を引っ込めて麦わら帽子をかぶった女性に向き合う。 綺麗に整った顔、そしてその肌は色白くこちらを見る瞳はきょとんと丸くなっている。