「はとせ、さんかぁ」

どんな人なのだろう。
一般人にも名前が知られているということは有名な人なのだろうか。

小さな島だから伝統工芸みたいなのを作ってる人なのだろうか。

いろいろ思い浮かべてみるととりあえず行ってみる価値はありそうだ。

アポも何もとってないから怒られてしまったら帰ろう。

押しかけるだけはタダなのだから。
そうまるで自分に言い聞かせるように思考を浮かばせ、この先と指さされた坂道を見つめた。

「……行ってみるか」