ふと先ほど小耳に挟んだ声が隣から聞こえてきた。
カメラを首元にかけ直すとはい?と相槌を告げて声の元へと目を向ける。

ふとそこには、先ほど話していた主婦の人たちが2人、好奇の目を向け俺の隣にいたらしい。
写真を撮っていたことに夢中になっていたから気付かなかったようだ。

「はいそうですよ。お邪魔してます」

ぺこりと軽く会釈と共に笑顔を浮かべるとあらやだという典型的な相手の声と共に質問が降ってくる。

「誰を取材しにきたの?」

「誰、というかこの島の案内記事みたいなのを書こうと思いまして」

「素敵じゃなぁい〜!あっでもおばさん達取材した方がいい人知ってるわよっ」