「…ふふっ、昼間と同じですね」
俺が顔をあげると彼女はどこかおかしそうにくすくすと笑う。
そして彼女は日差しも出ていないというのにその黒い髪の上に被さる麦わら帽子を撫でた。
「……でもどうしてこんな夜中に…しかも民宿まで…」
「…とりあえず理由も話すので一緒に散歩しませんか?」
浮かべていた頬の笑みを少し崩してしまう彼女。
少し居心地悪そうに苦笑してから目線をそらし、そしてそんなお誘いをしてくる。
散歩は己もしたかったしちょうど良かったのだけれど、どうしてこんな居心地の悪そうにしているのだろうか。
ふと感じる疑問を追い払うようにはい、と俺は頷いた。
「では行きましょうか」

