俺を見てにこやかに、心底から笑いを浮かべるご老人に頭を下げていってきます、と告げてから俺は踵を返し、島の内部へと向かった。

ーーーここは、日本の常夏の島、そして緑生い茂る緑山島という島だ。


南西に位置しており本州からの移動手段は船のみ。
そして何よりもこの島は日本の領土内に位置しているのに関わらず、季節はずっと夏を繰り返しており、世間からは常夏の島と言われている。

噂によるとその気候に引かれたり、自然に引かれたりし最近は本州からの移住者も増えているそうで島の人口も増えてきつつあるらしい。

といっても島の人口は2000人程度。
俺みたいな奴が歩いてるだけでも島民はやはり不信に見えてしまうのだろう。

人気の多い道に出てしまえば端の方でおばさんがこそこそと話してるのが見える。