「君が、記者だとかいう人かね」 「っはい、そうです…こちらに個人記者として仕事として来てます谷城夕、というものです。」 立ち上がり、深く頭を下げてそう挨拶をして顔をあげると相変わらず彼女の父親は難しい面持ちのまま会釈を返すことはなく、勿論俺の目に視線を合わせることはない。 「……」 眉を寄せ、難しい顔でようやく俺を見るとまたその視線はすぐに外されてしまう。 先ほどからちらちらとこちらに向けられる二つの視線に居心地の悪さを覚えて涼しい部屋だというのに額に汗が浮いた。