「…うん…」


「好き…とか、付き合うとか、よく分からない。だけど…」




風が吹く。



夏の香りのする風だ。



俺はきっと、一生この香りを忘れないと思う。




きっとこの香りがする度に、俺は彼女を思い出すことになるんだろう。



来年も再来年も、


5年後も、


10年後も…。





「また来年もあなたとりんご飴、食べたいわ」