「…諦めるなんて、無理じゃんか」
「え?松田君なんか言った?」
呟くように溢れたその言葉は、彼女に届くはずなんてなくて、愛らしく小首を傾げる彼女に
「ううん。何でもないよ」
そう、ささやかな嘘をつく。
「…っ!」
言葉ではそう言ったけど、彼女に伝わっていないかな。
きっと、今俺、白田さんへの感情を抑えきれていないと思う。
やっぱりどうしたって、君が好きだ–––
そう思う気持ちは、もう止められなくて…
つい彼女を見詰めてしまえば、白田さんの顔が少し赤く染まった気がした。
*
「こんな所に公園があったのね」
「うん。意外に穴場なんだ」



