イタズラに笑う彼女を見ていると、少しホッとした気持ちと、何だか残念な気持ちが入り交ざって、モヤモヤと胸の中をくすぶる。


そりゃ気まずくなるよりずっといいんだけど、少しは気にしてる素振りをして欲しい気もする。


自分でもなんて勝手なんだと思うよ。


だけど、普段と変わらない様子で接してくる白田さんに、到底意識なんてされていないんだという事実を突き付けらると、まだ彼女への気持ちの整理がついていない俺には少し残酷だった。



まぁ、フラれたんだから当たり前か。


白田さんは俺の事、何とも思ってはいないんだから…。



俺は一つ溜息をつく。



そもそも、何で俺はこんなに無謀な恋愛をしてるんだろう。


恋愛ってこんなに難しいものなのか?


“自分が想っている相手が、同じ様に自分の事を想ってくれる”


そんなの奇跡に近いとさえ感じる。


そんなこと言ったら、世の中のカップル全てが奇跡の恩恵にあずかっていることになるけど…。




俺の横を歩く彼女にそっと目を向ける。



あれから、帰って一人泣いたりしたのだろうか。


心なしか、昨日より少しスッキリした顔をしている。