「渚ぁ〜。お前は何でそんなに可愛いんだよ〜。彼女なんていらないよな〜。渚が兄ちゃんのお嫁さんになるんだもんな〜」


「にーちゃ〜!くすぐったい〜」


母親に痛い目で見られつつ、キャッキャと笑う妹と二人の世界に酔っていると、


「…あの…」


という声がして、妹を抱き締めたままそちらに目を向ける。



家の門の前からこちらを覗く人影。


その人物が誰だか分かると、俺は完全にフリーズした。




「こんにちは…」


「しっ…白田さん…」



な…何でここに白田さんがいるんだ!?



キョトンとした顔で俺を見る白田さん。


俺と渚を交互に見ると、ぷっと小さく吹き出した。



今の…絶対に見られてたっ!!



「あら綺麗な子〜!湊のお友達??今、門開けるわね〜」


母さんが何か企んだ笑顔で、彼女の所に行こうとするもんだから、俺は焦ってそんな母さんを止めた。


「ちょっ…大丈夫だから!俺行くから、渚お願い!」


「えー?そーお?」


残念そうに口を尖らせる母さんを一睨みして、俺は白田さんの元へ。