「あっ…おはようございます。」
っと伊織が小さな声で返事をした。

「さあ、さあ、まずは伊織ちゃん!
 朝ごはん食べましょうね!」
母さんは、テキパキと伊織のご飯を用意した。

伊織はチラッと俺を見た。
俺は、ニコッと笑って自分の隣の椅子を引いた。
椅子に座り、「いただきます。」っと言って
母さんの用意したご飯を少しずつ食べた。

その間、俺たちはテレビの話や、バカな話をして
伊織が気まずくならない様に、賑やかに過ごした。
俺は、話をしつつドキドキしながら伊織が
食べ終わるのを待った。



「ごちそうさまでした。美味しかったです。
 すみません残してしまって…」
伊織が、申し訳なさそうに食器を母さんと片付けた。


父さんが、その様子を見ながら俺に
「奏多、これから伊織ちゃんに聞く話はお前とっても辛い話だ。
聞いて、支えてあげれないなら
 聞くのはやめなさい。
興味本意で聞く話ではない」
っと釘を刺してきた。

俺は目を瞑り、深く息をした。