彼の抱きしめたぬくもりから生きる力が私の中へ流れ込んできた。 …生きよぅ…。 奏多くんと少しでも一緒にいられるなら…。 奏多くんが私の名前を呼んでくれるなら…。 …生きられる。 私は彼から体を少し離し 「奏多くん…。ありがとう…。」 っとニコっと笑い、自宅へ帰る事を伝えた。 笑う私に安心したのか、深い息をして彼もニコっと笑い… 「送る。」 「ん…ありがとう…。」 暗い夜道も、彼と手を繋いで歩くと怖くない。