そうこうしているうちに伊織の家が近くなってきたのか、伊織の足取りが重く、口数が減る。
いつも何故かこうなる。
そして…伊織は俯きなから…




「ここで大丈夫だよ…。ありがとう…。」




っと言って分かれる。
伊織が何に対してこんな風になるのか、気になるが、踏み込まないで欲しいのか、この手の話しをすると喋らなくなるんだ。その時の苦しそうな顔を見たくなくて、あまり聞かない事にしている。



「ぁあ…じゃあなっ!気を付けて帰れよっ!」




俺は伊織が気にしないように明るく見送るしか出来なかった。




伊織はちぃさく手を振り帰って行った。




…はぁ~…



俺は夜空を見上げながら深いため息をつくしかなかった。