「奏多くん?どうしたの?」

伊織が心配そうに俺を見つめている。




「なんでもない。」



と曖昧に返事をしても、伊織は怒らない。




「もぉ~…」



そう言って頬を膨らませているだけだ。


…ん…?


もしかして、伊織にとってはこれが怒っているという事なんだろうか…。


…可愛いだけだ。
膨らませている頬をツンツンしながら、しぼませる。


でもまた…



「…ん…?さっき牛がいたかな?」



っと頬を膨らませている顔を見たい俺は、いつも伊織をからかうんだ。



「こらぁ…」





…クスクス…笑いながら俺に怒ったぞ!アピールをするが…無駄だな。

可愛いだけだ。