…彼女はいつも最後まで公園にいる。


夕方近く、子供を迎えに母親達がやってくる。
「たっくん!帰るわよ!」
「あ!ママだ!みんな!また明日ねぇ~!」


各自そんな事を言いながら、母親と手を繋いで帰っていく。

でも、彼女の母親は来ない。


俺の家からは公園が見える。砂場にぽつんと一人でいる彼女をいつも自宅の部屋の窓から見ていた
もう暗くなる…。


それなのに一向に帰る気配はない。


母親を待っているのだろうか…。


嫌。

いつも来ないから、今日も迎えに来ないだろう。


声をかけに行こうか悩んでいると、彼女はトボトボと公園を出た。