私には、お父さんはもちろん、おじいちゃんやおばちゃんもいない。


いるのは…壊れたお母さんだけ。



暗くなり、トボトボとゆっくり、ゆっくり、少しでも家に帰る時間を遅らせる。



でも、限界はある。


「はぁ~…」


ボロボロアパート…

階段は錆びて今にも崩れそう、アパートの壁には草の弦が伸びっぱなし。

周りはゴミと雑草だらけ

このボロアパートの一階角部屋が私の家。



玄関の前で深く細く深呼吸をする…。

「あっ…あんっ…ぃぃ!」


まただ…。


「ふぅ~…」



お母さんのお仕事中に帰宅してしまったらしい。
こうなってしまうと、部屋に入れる様になるまで外で待つ事になる。