「ヨルも?じゃあアナタはこっちの世界へいらっしゃい。交代しましょう。」


「いっせいのーで」



目の前が真っ黒になった。当たり前か…
この部屋暗いもん。

自由が効かない体を頑張って動かし鏡に目をやった。



ヨルがこちらを向いて微笑んだ。



「お互いに別々の世界を楽しみましょう」



私は一切口を動かしていない。
ほら、サト君のウソつき。サラのウソつき…

やっぱりヨルは居るじゃない。


私は目を閉じた。


次目を開けたらきっと鏡の中の素晴らしい世界のはずだわ――…



【完】