それから3時間程たった。

片付けも終わり

七星も落ち着いていた。



今日のバイトは無理かな。


そんな時


ドンドン

ドアを叩く音がした。

「はーい」


ガチャ

「こんにちは。」

そこには綺麗にスーツを着こなした人がいた。

「如月 要の秘書をしております。綾瀬 風翔 と申します。」

「どうも。」

なに?え?

私の頭はパニック状態


「ここのアパートは解約させて頂きました。」

はぁぁ??

この人今解約って言った?


「ちょっとふざけないで下さい!これからどこでどう生きればいいんですか??!!」

「落ち着いて下さい。今から案内致しますので、最低限の荷物を」

なんなの??

「はい、わかりました。なんて言えるわけ無いでしょう?」

「早くしてください。若を待たせていますので」

若?

要さんの事?



もう、どうにでもなれ。


私は3人分の下着とパジャマと洋服、通帳 手持ちのお金を、バックに詰めた。



「お待たせしました。」

「お姉ちゃん?どこ行くの?」

不安そうに聞く七星。

「大丈夫よー。」

「この車にお乗りください。」


リ、リムジン。。。。



「え?これですか?」

「はい。」


「かっけぇ。」

目をキラキラされる北斗。


車に乗ると…


椅子ではなくソファー。

机ではなくテーブル。

ジュースではなくお酒。


私にとって異次元だった。


「クスッ。」

風翔さんが笑った。

「え?どうしたんですか?」

「いえ、蓮華様の反応がおかしくて。」

可笑しいって、そりゃそうだろ

ついさっきまでオンボロアパートにいた人がリムジンって、シンデレラかなにかですか?


かぼちゃの馬車てきな?


「すげぇー。」

「北斗様でしたっけ?」

「ん?」

「オレンジジュースでよろしいですか?」

あっ、お酒じゃなかった。

どっかにパックのやつでもあるのかな?

なんて思うと

ワインのボトル的なのが出てきた。

「え?それ、お酒じゃないんですか?」

「これは、愛媛県のみかん を使った100% のオレンジというかみかんジュースです。」

「そう。ですか。」


もう、ほんと、なに?


「七星様もみかんジュースでよろしかったですか?」

七星は訳が分からないのか混乱しているのか首をコクコク頷いている。


可愛い。


「風翔様。到着しました。」


スキンヘッドの運転士さんがそう言った。

「どうぞ、こちらへ。」

車を降りると。。。

「えぇぇぇぇぇ?!」

都内でもかなり有名な高級マンションだった。

エントランスに入るとホテルマンみたいな方がいた。

「おかえりなさいませ。事務所でございますか?」

事務所?マンションの中に事務所があるの?

「いや、若の所で」

「かしこまりました。」

そのまま通ると…

顔認証てきなので扉が開くと

また、扉

そこは指紋認証

次も扉

暗証番号


まるでどっかのお偉いさんでも住んでるのか?それとも総理大臣か?

厳重すぎる、ロックだった。


チーン。

エレベーターが来た。

しかしそれには風翔さんは、乗る素振りを見せない。

「あの、来ましたよ?」

「え?あぁ、このエレベーターは最上階にはつかないんですよ。」

「最上階…?」


チーン

1番右 私たちの目の前のエレベーターだ。

「このエレベーターは61~65階そして屋上に止まります。それ以外は止まりません。」

「はあ。」

エレベーターに乗ると銀のカードを、かざした後手のひらをかざしやっと動いたエレベーター。

エレベーターの中も豪華。

ガラス張りで外の景色が綺麗だった。


「凄い。」

「夜はもっと綺麗になりますよ?」


そんなこんなでいろいろと話していると

「つきましたね。」

エレベーターを降りると…