「いい??なんかあったら、叫ぶこと」

「う、うん」

次の日の放課後、私は千晃に重々注意されている。

ほんとは、千晃がついてきてくれたら心強いんだけど…今日は英検があるから無理みたい。

昨日といい、私ってなんてタイミングの悪い女なんだろう。

「じゃあ、私行くね」

「うん。千晃、英検がんばって」

「うん!ありがと〜」

私は千晃の背中を見送ると、
重い足取りで体育館裏に向かう。

「相山さん」

不意に後ろから、私を呼ぶ声が聞こえる。

「あ、先生!!」

加賀先生だ。

今日は会えないかと思っていたから、
会えてラッキーみたいな!

それに、先生から話しかけてもらえるなんて嬉しい限りですよっ!

「あれからなんか、変わったことは?」

変わったこと…ははは。
そりゃあ、もう。先輩に呼び出されてますよ。